今回の旅では念願のビール紀行ということで、ベルギーからヨーロッパ入りして、そこから陸路でドイツ、チェコと巡る予定だった。ベルギーからドイツ向かって、まずケルンを経由してデュッセルドルフを目指す事になった。
実は幸運な事に旅の途中で出会った人が、デュッセルドルフに住んでいて日本語を話せるドイツ人のKさんを紹介してくれたのだ。
デュッセルドルフのアルトビア醸造所を全て制覇できたわけではないのだが、今回Kさんのおすすめアルトビール醸造所を一緒巡って来たので、リアルな情報と感想をお届けしたい。

デュッセルドルフには何百年と続くアルトビア醸造所がたくさんある。アルトとは「古い」と言う意味で、19 世紀ごろに人気になり広まった’ラガー’よりも古い製法であることから、そう呼ばれるようになった。
そのアルトは赤みがかった琥珀色でホップの風味と苦味にモルトの優しい甘さがあり、飲み口が軽く飲みやすいのが特徴だ。巡ってきた醸造所のそれぞれの特徴と歴史を紹介しようと思う。
Füchschen
他の醸造所が集まった場所からから少し離れた位置にある
Füchschen醸造所は150年以上の歴史があり、名前は小狐という意味で、コースターのマークにはキツネとビール描かれている。
ビールの味わいを決めると言われている酵母を、1848年以来自社で培養し、こだわりの酵母でビールを醸造し続けている。Füchschenのアルトは個性的な味わいで、地元には若い人からお年寄りまで幅広い層にファンがいる。
実際に訪れた時も、観光客よりも地元の人が多い印象がある。今回紹介してくれた、ドイツ人のKさんのお父さんが一番好きなのがFüchschenのアルトのようだ。

赤く銅色に輝き透き通っていて、ほのかにカラメルや少しスモーキーでローストされた風味があり、口に含むとドライな味わいできめ細やかな炭酸が生き生きとしている。濃厚で華やかな香りだが口当たりが軽いのでいつの間にかグラスが空になっている。

メットと呼ばれる「生の豚肉」
例えるなら、ネギトロみたいな味でお好みで塩と胡椒をかけて食べる。豚肉を生で食べるのには驚いたが、本当にうまい。

名前は忘れてしまったが、おそらく血のソーセージ。名前だけ聞くと気持ち悪く感じるが、味は非常に美味しくて、血のような風味は一切しない。ビールが進む一品だった。

おそらく、牛スネ肉の黒ビール煮もフォークで簡単に崩れるほど煮込まれていて非常に美味しかった。
Füchschen醸造所の場所とアクセス
デュッセルドルフ中央駅から2.1km、徒歩25分
地下鉄と徒歩で8分、3分間隔で運行している。
Zum Schlüssel
1850年創業だが、前身となるZu den drei Königen醸造所の時代を含めると創業が1632年になるデュッセルドルフの伝統的な醸造所のひとつだ。

鍵のマークが特徴的で、かつて夕方に街の門が施錠され、鍵が一番近くの飲食店に保管されていた習慣が由来となった。

生産されるアルトの大部分は醸造所のレストランで販売されている。2012年と2014年に世界一のアルトビールに選ばれ、ヨーロピアンビールスターアワードの金賞を受賞した。

オレンジの皮やバニラを思わせるような香り、マイルドなフルボディの味わいが特徴だ。甘さ、酸味、苦味が互いにバランスを取り、後味には苦味が心地よく引いていく。口当たり軽く飲みやすい。
Hopfen Symphonie Limited Edition 2019

「ホップシンフォニー」2019限定版クラフトビール
Kさんの勧めで頼んでくれたSchlüsselのクラフトビール。アルコール度数が6.5%、上質で特別なモルトと4種類のホップを使用し、オープン発酵槽で長期熟成をする昔ながらの製法で作られている。
バランスのとれたホップの華やかな香り、心地よい苦味がある。琥珀色のブラウンエールはフルーティでとても飲みやすかった。
Zum Schlüssel醸造所の場所とアクセス
デュッセルドルフ中央駅から1.6km、徒歩21分
地下鉄と徒歩で6分、3分間隔で運行している。
Brauerei Schumacher

創業1838年、伝統的で優れたアルトで知られるシューマッハは地球の歩き方にも掲載されていて地元の人だけでなく観光客にも人気の醸造所だ。

ビールが舌に触れると、ほんのり甘く清々しいくフルーティな香りを感じる。きめ細かく穏やかな炭酸に、後味にはほんのりココアのようなローストされた香りと優しい苦味と後を引いていく。
Brauerei Schumacher醸造所の場所とアクセス
デュッセルドルフ中央駅から650m、徒歩8分
地下鉄と徒歩で3分、3分間隔で運行している。
↓シューマッハのビアホール
世界一長いバーカウンターと言われるボルカー通りにもシューマッハのビアホールがある。デュッセルドルフ中央駅から1.6km、徒歩21分、地下鉄と徒歩で6分だ。
Zum Uerige

創業1862年、Uerige(奇妙)と言う名前で創業者が変人と言われていたことから、この名前にしたそうだ。
琥珀色で泡立ちは豊富だが持続はしない。焼きたてのトースト、キャラメル、ココアの香り、ミディアムボディの生き生きとした苦味とさわやかな後味でバランスが素晴らしい。飲み口が軽く飲みやすい味わいだった。
Uerige Original Fassbrause
Uerigeで麦芽を使って造ったノンアルコールのジュース。

フレーバーには美容と健康に良いことで有名な「ルバーブ」や美容やリラックス効果のあるとされる「エルダーフラワー(ニワトコ)」が入っていて、さらに低カロリーでお酒の飲めない女性や子供のためのヘルシードリンクだ。
日本の子供ビールのようなりんご味とかではなく、ビールの雰囲気を感じる麦芽の優しい甘さに炭酸、ルバーブやエルダーフラワーの爽やかな香りがした。
Zum Uerige醸造所の場所とアクセス
デュッセルドルフ中央駅から1.7km、徒歩22分
地下鉄と徒歩で7分、3分間隔で運行している。
Brauerei Kürzer

2010年創業、若者に人気のアルト醸造所
赤褐色と麦芽の甘い香り。泡はとても上質でクリーミー、焙煎したモルトの香りと優しい苦味、後味にはほのかに酸味を感じる。ビールが苦手な人でも口当たり軽く飲みやすからゴクゴク飲めてしまいそうだ。
Brauerei Kürzer醸造所の場所とアクセス
デュッセルドルフ中央駅から1.8km、徒歩23分
地下鉄と徒歩で8分、3分間隔で運行している。
Frankenheim
1873年創業、スーパーでよく見かけるのがこれで、地元の人には他の醸造所の伝統的なイメージと違い大衆的なイメージがあると言う。実際、醸造されたアルトのほとんどは瓶詰めされて周辺の街でも販売されている。

ローストされた芳ばしいモルト香りが特徴で、ほのかに甘みとホップの苦味がある。ライトボディで飲み口軽く飲みやすい。
スーパーで買ってきたものを飲んだが、醸造所でも飲むことができる。
Frankenheim醸造所の場所とアクセス
デュッセルドルフ中央駅から1.2km、徒歩16分
トラムと徒歩で9分、10分間隔で運行している。
〆ピザ 〜 Lupo Pizzeria

最後のシメで行ったピザ屋、ここは5ユーロから石窯焼きのピザが食べれる。

薪で焼いているから香りが芳ばしい。日本で一般的なサイズよりもひと回り大きくて満足感がある。
シメに行ったはずだったが、またアルトビールが飲みたくなってきた(笑)
Lupo Pizzeriaの場所とアクセス
デュッセルドルフ中央駅から1.7km、徒歩21分
地下鉄と徒歩で6分、3分間隔で運行している。
まとめ
デュッセルドルフ の伝統的な醸造所のご紹介。
行ってみたくなっただろうか?
ドイツにはまだまだ沢山の醸造所があるので、また訪問したい。
他にもバイエルン地方のニュルンベルクやバンベルクなどにも行ってきたので、ビールやグルメについてどんどんまとめの記事を書いていきたいと思う。
お楽しみに!
コメント
ビールの味だけでなく、それぞれの店の歴史まで紹介されていて、大変勉強になりました。
アルトビール好きでない人間でも、また飲みたくなってしまいました。
素敵な思い出をありがとう。
また一緒に飲める日を楽しみにしてます。